【内容紹介】

かしこくて勇かんな王女さま、ルル姫におとずれた「はじめての恋」は…！？

春の大舞踏会で出会ったオラフ王子が、ご両親の用事で、草原の国のお城へとまりにやってきました。
そんなとき、草原の動物たちが次つぎに消える事件が！
国の王女、ルル姫は、かけつけてくれた仲間の王女さまたちと、解決にいどむのですが、一方でオラフ王子の行動も気になって……。

活発で自信たっぷりな女の子の心に、生まれてはじめてめばえた〝男の子への想い〟……！
キュートな物語がはじまります。



【物語の一部をためしよみしてみましょう】


ルル姫は、思わずひみつを口ばしってしまいました。

「しまった……あ、あのね。保護していた赤ちゃんライオンが、いなくなって」

「そうか！　だから様子がおかしかったんですね。……じゃあ、あのほにゅうびんも、子ライオンのため？」

ずばりあてられるとは、ショックです……王子は大人たちに報告するでしょう。


「ルル姫。それならまず、子ライオンをさがさなくてはね？　協力します」

（うそ！？　協力……してくれるの？）

意外な言葉に目をみひらくルル姫に、王子はやさしくうなずきました。

「王さまと王妃さまがおきていらっしゃったら、『ルル姫は、お仲間と草原へドライブにでかけました』とつたえておきますよ。そうすれば、さがす時間がふえる。きっと、うまくいくよ」

たしかに、王女が部屋にいないまま朝になればお城は大さわぎですが……そこまで頭がまわっていなかったので、時間かせぎの提案に、はっとしました。


ルル姫は急に、これまでの自分の態度がはずかしくなります。

「オラフ王子、ごめんなさい……タフティを部屋からだしたのは、あなただと決めつけていたわ。それにわたし……今まですごくいやな態度をとってきて」

「気にしていません、ルル姫。よろこんで協力します」

そういうと、王子はわざとおどけた様子でおじぎをして、ほほえみます。
やわらかな笑顔に、ルル姫は心から安心し、新たな勇気もわいてきました。


（あれ？　わたし、どうしちゃったの……？　なんだか変な気分）

そう。むねがドキドキして、ほおが、かああっと熱いような。

（わたし、男の子のことを……たのもしいって思ってるの？）


★つづきは本をよんでくださいね★



【対象年齢】

小3,小4